緩和ケア病棟でも

皆さんは緩和ケアというものをご存知でしょうか。簡単に言えば、人生の終末を良いものにするための治療を行うもので「生命の終わりが近づいた患者さんやその家族の方が、よりよい人生を送るための改善を行う」という形でアプローチする治療方法です。
こうしたアプローチは近年になって始まったものではあるのですが、苦痛や悲しみを緩和するためのあらゆる措置を治療として行うが緩和ケアの目的なのです。
私は小児科病棟の担当ですが、緩和ケア病棟でもクリスマス会を開催すると聞き、ぜひとも手伝わせて欲しいと参加しました。
出し物には参加しませんでしたが、会の準備や当日の運営に携わらせていただきました。
小児科病棟とは違い、出し物の多くはスタッフではなく外部の合唱団などに来てもらって行いました。基本的にクリスマスのテーマに沿ったものをお願いしていたのですが、一番盛り上がったのはアコースティック・デュオが歌った「川の流れのように」でした。
ギターとベース、そしてギターの方が歌を歌うという珍しいタイプのデュオでしたが、多くの人が知っているためか一緒に歌い出す患者さんが多かったです。
患者さんだけでなく、そのご家族の方も参加されました。みなさんとても喜んでくれて、こちらとしてもとても嬉しい会となりました。
一番笑いをとったのは、医師たちの扮装でした。多少の違いはあるものの、当日は私を含め全てのスタッフがサンタクロース・トナカイ・雪だるまといった、クリスマスを連想させる扮装で参加していました。
一番見ものだったのは、緩和ケア病棟の主任医師のサンタクロースでした。上背があり、恰幅もある人なのでサンタクロース姿がとても堂に入っていました。この時に扮装を褒められて気をよくしたのか、後日の小児科のクリスマス会ではサンタクロース姿でこどもたちにプレゼントを配っていました。正直、白衣よりも似合っていました(笑)
緩和ケア病棟の患者さんは、決して長くは無い残りの人生をできるだけ平穏に楽しく過ごせるよう願っている人たちばかりです。年齢はさまざまですが、重要なのは苦痛や苦労の多い治療ではなく、できるだけ自然な形で接されることを望んでいます。
こうした会を通して楽しく過ごす時間をできるだけ増やし、心安らかに過ごしていただければ私たちとしても言うことは無いのです。

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